Project story #02

「不動産を切り口に経営課題へ挑む事業」にJoin

  • #不動産

個人や企業にとって不動産は大切な資産です。信託銀行はそうした「カタチ」ある資産を託していただき、売り手にも買い手にも最適なソリューションを提供しています。一般の不動産会社とは異なり、普段から経営判断に深くかかわる信託銀行だからこそ得られる視点で、不動産に新たな価値を見出すことこそが「不動産業務」の役割です。

どのようなプロジェクトに取り組んだか

信託銀行ならではの圧倒的な情報を武器にチーム一丸となって
不動産売買の先にある新たな価値を創造

Project Member

松垣 圭

不動産部
2008年入社
法学部卒

髙橋 佑

クレジット投資部
2016年入社
経済学部卒

村嶋 賢太郎

三菱UFJ銀行営業本部
営業第十一部 出向
2009年入社
法学部卒

Cross Talk

信託銀行独自の視点で不動産を活用する仕事

信託銀行では不動産の売却や新拠点開設のための新規購入、拠点の移転・集約など、お客さまの多様な不動産にかかわるニーズに応えていますが、不動産のみを取り扱う会社とどう違うのでしょうか。

髙橋お客さまと「多面的で長期間にわたる関係を築ける」ということが大きな違いだと考えています。不動産のみならず、銀行業務であったり、年金業務、証券代行業務であったりと、さまざまな接点を通じて、お客さまと密にお話をさせていただけるのが信託銀行の特徴。こうした接点の多さがお客さまとの長期的なリレーションシップの構築を可能にします。「不動産」という切り口で、長期的な視点からお客さまの真の課題解決に資することはないかと常に考え、ご提案し、具体的なソリューションの提供につなげていくことが、信託銀行における不動産業務の醍醐味だと思います。

村嶋不動産業務と聞くと、売買や賃貸借を通じたお客さまとの接点はその場限りだと思われるかもしれませんが、信託銀行の不動産業務は“点”ではなく“線”のイメージです。売買が完了すると終わりというわけではありません。髙橋が属するコンサルティング領域の部署が中長期的にフォローをするなか、私は仲介を円滑に進めるだけでなく、お客さまへあらゆる選択肢をご提供したり、財務的な視点でアプローチしたりするなど、信託銀行ならではの提案を多々行っています。

松垣より安心してお取引いただけるという点も信託銀行の不動産業務のメリットだと感じています。例えば不動産売買の仲介では、買い主を探す際も、当社と既にお取引のあるお客さまにお声がけをするケースがほとんど。新規の方をご紹介することはあまりありません。その点は不動産のみを扱う企業と異なるところだと思います。

チーム一丸となって最適な不動産活用を提案

皆さんがチームとして実行したプロジェクトを例に、具体的にどのような提案があり、各々どのような想いで取り組まれていたのか、ご紹介いただけますでしょうか。

髙橋A社は継続的な成長を成し遂げてきた歴史ある企業の一つでしたが、日本国内の産業構造や人口動態の変化もあり、さらなる成長に向けていくつかの課題をお持ちでした。私は2016年に中途入社後にA社を担当させていただいたのですが、私が担当するずっと以前から、複数の担当者が長きにわたり、外部環境の変化でお客さまが抱える課題の分析とさまざまなソリューションの提案を行っていました。私が担当になった後も、そうした過去からの長い関係性を活かし、継続的に提案を行った結果、最終的に我々によるサプライチェーンの再構築に対する不動産を切り口としたソリューションの提案をお客さまにご評価いただいたと記憶しています。その意味で、私が考える信託銀行の不動産業務における「チーム」は、今を共にするメンバーだけではなく、過去や未来を共にするメンバーを含んでいます。過去から長い時間をかけて培ってきたお客さまとの関係性をバトンでつないでいくという想いで取組んでいました。

村嶋スタートがいつかという区切りは難しいのですが、本件で売主であるA社側の仲介業務を担当した私は、具体的に動き始める前から、髙橋と共にお客さまがお持ちの不動産について調査し、さまざまな活用の可能性について検討を重ねていました。

髙橋過去からの分析や提案を繰り返し見返し、自分なりにお客さまの課題解決のために、何か新しい切り口やソリューションがないかを一生懸命考えました。何度も悩みましたが、村嶋のほか、グループ内でお客さまと接点を持つさまざまな人たちのおかげでお客さまの真の課題が何か、それに対して不動産仲介を含めた複数のソリューションでどんなものが合うのかを、時間をかけてお客さまに提案することができました。あらゆる部署が一丸となってお客さまと向き合っているという連帯感の中で仕事ができたことも、最終的に良い結果につながったのかもしれません。

松垣私は本件では買い主側の企業を担当していたのですが、こちらもかなり前から市況を見始めていました。不動産のマーケットは日々変化しているので、どのタイミングで売却するかによって、一番いい条件を出せる買い主も変わってきますから。村嶋がお客さまにご提案するときに、「今もし売却されるのであれば、こういう企業が買い主として考えられます」という情報を迅速に提示できるように、不動産マーケットをウォッチしながら、村嶋と並走している状態でした。

村嶋この案件は結果的に、お客さまが所有している物件を売却することを決断され、不動産の売買を仲介する形になりましたが、その過程では他社に貸し出して賃貸収入を得るといった有効活用をはじめ、さまざまな選択肢を提案させていただきました。実はこの提案においても、信託ならではの視点があります。信託銀行では証券代行業務を通じて、お客さまの株主が同社の経営・財務戦略に対してどのような見方をしているのかもしっかりとウォッチしているため、株主の意見ともバランスを取りながら選択肢を提案することができます。

株主名簿を管理されている信託銀行ならではの「情報」が活きてくるのですね。

村嶋はい、その圧倒的な情報量こそ信託銀行の強みだと思います。コーポレートガバナンスの観点でどういう話題がホットなのかをつかみ、それを提案に盛り込むと、よりお客さまにご納得いただけます。また不動産に関しては、総務部や管理部の方が実務として担当されることが多いのですが、なかには他の部署の人たちでなければ知り得ない重要な情報もあるわけです。例えば経営企画部門はどのような方向性で事業を推進しようとしているのか、財務部門はどんな戦略で資金を調達しようとしているのか。こうした情報を我々がうまく引き出してとりまとめることで、総務部や管理部が社内で動きやすいよう道筋を整えることも、お客さまの真の課題解決に資する活動だと考えています。

松垣不動産業務でありながら、物件単位ではなく、その会社全体でどういう判断をするべきかを考えながら、不動産というソリューションの活かし方を提案するというのが我々のミッションと捉えていただくと分かりやすいと思います。

モノとして目に見えるのが不動産の魅力

不動産業務の魅力はどこにあるのでしょうか。また、不動産業務を通してどのような力が身に付くとお考えでしょうか。

松垣動く金額の大きさは魅力の一つだと思います。これだけ大きな金額が動くプロジェクトに自分が関われたのだという実感は、やりがいや手応えに直結します。あとは人間味があふれるといいますか、お取引に物語が生まれやすいのも不動産業務の特徴。その不動産に対する一人ひとりの想いが垣間見えるところも、この仕事に情熱を注ぎ続けられる理由です。

村嶋他の金融商品と違って、モノとして見える、分かるっていうのはおもしろいところかもしれませんね。単純ですが、「ああ、この大きなビルを自分が仲介したのだ」という達成感も、不動産業務の醍醐味の一つだと思います。

髙橋確かに不動産業務に携わる人って、すごく不動産というプロダクトを愛している人が多いですよね。例えば、建築や建物が好きだったり、街を見ていて心が揺れ動いたりする人は、もしかするとこの仕事に向いているのかもしれません。愛しているからこそ、その良さや魅力について真剣に語れるのでしょうし、その熱量の高さがお客さまからの信頼につながっているのだなと実感しています。実を言うと前職で不動産の投融資業務を行っていた時は、不動産仲介業務を簡単な仕事と勘違いしていました。この会社に入社して、案件に触れれば触れるほどに不動産というプロダクトの奥深さや不動産仲介業務における専門性の高さを身に染みて感じています。

松垣信託銀行は各分野の知見を重ねた人が結集したプロフェッショナル集団です。同じ会社ながら、先輩や同僚の知識量に驚かされることも多いです。ただ同時に、専門性と同じくらい人間性がモノを言う世界なのかなとも感じています。例えば私の場合、本気でお客さまのことを考えるが故に、ときにはお客さまにとって耳の痛いことをお伝えする場面もあります。そういった誠実さも、絶対に必要な業界です。

髙橋ちなみに私は前職で、MUTBと一緒にお仕事をする機会が結構ありました。どの方も人柄や雰囲気が素晴らしく、一緒に仕事をすることがとても楽しかったこともあり、転職先として選んだのですが、社員一人ひとりの人柄や雰囲気だけでなく、長い時間をかけて先輩方が培ってきた組織風土も、お客さまに最適な提案ができる要因の一つだと思います。

村嶋ましてや信託銀行の場合、長いお取引の中で歴代の担当者がお客さまとの信頼を一から築き、そして脈々と繋いできたという歴史があるわけです。その絆を自分が壊すわけにはいきませんから、誠実に、真摯に向き合う、というのは私が一番心掛けているところです。

髙橋時代や社会の変化を見据えながら、異なるニーズを結びつけるという意味で仲介業務というのは実はかなり普遍的で、そこで培った経験やノウハウはどんな業界でも通用すると思います。不動産仲介業務であれば、そうした普遍的な力に加えて、不動産という専門的な知見も積み上げられるわけですから、ジェネラリストとスペシャリストの両面を備えることができるとも言えます。信託銀行で不動産仲介業務に携わることができたことは、長い自分自身のキャリアにとって素晴らしい経験の一つになると感じています。